2017年治療成績
高血圧では失神しやすい
高血圧を放置していると失神しやすいことを知っている一般人は少ない。血圧が高い人は、血圧が下がった際に脳の血流量が激減しやすいというのが理由である。普段の血圧が130(上)の人が90(上)になっても失神しないが、普段の血圧が180の人が90になれば失神する。
私のかかりつけの患者の中に月に2~3回、血圧の不調で失神してしまうという患者がいる。79歳の女性であるが、彼女は内科医から降圧剤をもらっているが、血圧が低めの時はそれを飲まないように自分勝手に決めている。その理由は、血圧が低い時に降圧剤を飲むと失神してしまうからだそうだ。つい先日も30分間意識消失となり、大学病院に搬送されている。
私は彼女に「血圧を低めに安定させないと、余計に失神するから薬を正しく飲むこと」を勧めているのだが、彼女は失神することを恐れて降圧剤を不定期にしか服用しない。だが、彼女の意見にも一理ある。現在、本態性高血圧の原因は不明であり、原因不明な病態を治療している時点で、降圧剤を体調とは無関係に定期的に飲み続けるのが本当によいのかどうか、実際は内科医にわかるはずがない。医者は神ではないのだから。
彼女は血圧が低い時に降圧剤を飲むと失神するというのだから、その意見は半分は間違っていないだろう。結局彼女のような症例は、「こうすればよい」という王道がない。なぜならば、こうした不安定な血圧の原因は自律神経が関与していることが多いからである。自律神経の不調を治せる医師はおそらくいない(私を除いて)。後に私は彼女の自律神経失調を治療する。これは後述する。
自律神経失調による失神の原理
自律神経失調による失神・意識低下は、高齢者に限ったことではない。小学校の朝礼ではほぼ毎回倒れてしまう児童がいるが、これがまさに自律神経失調症である。血圧がなんらかの理由で低下した場合、本来なら自律神経の作用で血圧を保つようにする。その機能がすみやかに働かないから血圧が低下して脳の血流量が低下して失神する。よって広義の自律神経失調である。血を見て倒れたり、注射されると倒れるのも過敏な血管反射が原因であり、これらも自律神経による防御システムが脆弱であるといえる。失調とまでは言わないが不調である。上頚神経節ブロックはこれらの失調症状にどうやら有効なようである。
二・三人目の失神前駆患者来院
本日、上記の彼女と同様の症状を訴える患者が来院した。私は整形外科医だが、血圧の不調も治療できるので彼女の話をまともに聞く。76歳女性、高血圧の治療のために降圧剤を定期的に服薬しているが、1日に数回、ふわっとして意識が落ちそうになるという。内科医に相談したところ、血圧は安定しているのだから血圧のせいじゃない。そんな病気はないと断言されたそうだ。三人目は82歳女性、ここ数カ月、布団をまたごうとした際や急ぎ足をしようとした際にふらっとして意識を失いそうになると私に訴えた患者がいた。血圧は上が180から120まで最近変動が多いという。降圧剤はのんでいる。それと同時に項から頭にかけて電撃痛が走って眠れないという。
私は、自律神経が不調であると血圧が変動しやすく、急な動きに血圧が耐えきれず、急に下がることがよくあることを説明した。治療の為に派降圧剤は無効で、自律神経の不調を治さなければならないと告げた。しかしながら自律神経はブロックボックスであり、これを治療できる医師はいないことも告げた。そして最後に
「私はブロックの専門家なのですが、自律神経を治療するブロックをすることができる珍しい医者ですが、受けて見ますか?」と話を持ちかけた。彼女は二つ返事でokしてくれた
自律神経による血圧不安定の治療法
私はすでに自律神経失調症を上頚神経節ブロックで治療する方法をほぼ確立している。上記の79歳の女性には毎週1回、上頚神経節ブロックを行い、それ以降失神発作は起こらなくなった。さらに彼女は「頭がすっきりするからブロックしてほしい」と懇願するようになった。頭がすっきりするのは2~3日と短いが、それでもふらっとすることはなくなったというので1週間を通して自律神経は安定していると思われる。
76歳の彼女にも同様に上頚神経節ブロックをしてさしあげた。結果は随時報告する。82歳の女性にも上頚神経節ブロックを行った。その1週後の診察でふらつきが全く起こらなくなったこと、頭痛がなくなったこと、熟睡できるようになったこと、血圧が上が140で安定したことを私に教えてくれた。「今後どうすればよいでしょうか?」と言われたので、「1回のブロックで治ったと思いますから、これ以上は治療しません。もし、再発するようならすぐに言ってください。その時はすぐにブロック注射します」と告げた。
1年に1回、自律神経の不調で激やせする62歳女性
この他にも自律神経失調症の治療を何例かに行っている。1年に1回程度誘因なくめまい、耳鳴り、吐き気、全身倦怠、抑うつ、神経過敏、発汗異常、血圧不安定、が起こり、吐き気のために数カ月食事がまともにできず、10kgやせたと訴える62歳の患者。上頚神経節ブロックを2度行ってすっかり完治した。その翌年、やはり同じような症状が現れたので、今度は早いうちに上頚神経節ブロックを行って、予防した。
最後に 上頚神経節ブロックで血圧不安定を治療でき、自律神経失調症を改善できるということを、信じない者は多いだろう。信じない者は信じる必要はない。信じたい者は治療を受けに来ればよいだけのことである。別にブロックに大きなリスクがあるわけではないのだから、治療を受けてみて判断すればよいだけのことである。私は自分の奇蹟のような治療を皆に知らせたいからこのブログに記載しているわけではない。自律神経失調という難治性の病気に悩んでいる人に、治る可能性という門戸を開いて差し上げているだけのことである。興味ないもの、信じない者に理解してもらう必要はない。
68歳の母が原因不明で倒れ頭部にたんこぶを作りct、mriでは異常はないものの、毎日頭が重く肩こり首こり、血圧不安定、高いときには170/90普段は120/70低い時は100/50と不安定を繰り返しています。
いつまた倒れるか心配な為、頭が痛く血圧が高いときに病院に行っても200以上の血圧値を超えていない為ロキソニンを処方されctをとり帰宅させられます。
血液検査、心電図も特に異常が見つからずckの数値が引っかかる程度ですが、病院側は心配は全くいらないといい、毎回失神理由を解決することなく帰宅です。
倒れた当時の理由が全くわからず不安な毎日です。
是非先生にご相談にのって頂き改善させて頂きたく思います。
どうかよろしくお願いします。
失神の理由は、多くは脳の血流不足です。脳の血流は、血圧が高いほど、不足しやすくなることがわかっています。例えば普段血圧が200の人は血圧が100になると失神します。普段の血圧が120の人は血圧が100になっても失神しません。血圧が不安定になる理由は、血圧を調整する器官である自律神経核の機能不全が原因であると思われます。機能不全になった原因はむち打ちであると思われます。すなわち、現在の状況はむち打ちの後遺症である自律神経失調症と推測します。
自律神経失調症を治せる医師がほとんどいないため、大学病院ではこのような患者を無視する以外に方法がありません。というよりも、「失神が自律神経失調症から来ていることを見破れる医師がいない」と言ったほうがよいかもしれません。自律神経失調症を治せるのは、ペインクリニック科の一部の達人レベルの医師のみです。他の方法としては代替医療の達人にむちうちの後遺症を治してもらう事ができれば、自律神経失調症も軽くなると思われます。
まず、インターネットでペインクリニック・自律神経失調症と調べ、その中でもっとも近いクリニックに行く事をお勧めします。それでも治らない場合は再度ご相談ください。