腰椎椎間板ヘルニア 切らずに治すブロック治療

手術のデメリット 手術は内視鏡で行うと手軽で傷跡も残りませんので担当医に強く勧められると思いますが、デメリットがあります。

1,ヘルニアの除去と髄核摘出により椎体間が狭くなり、椎体が不安定な動きをするようになります。ちょっとした油断でぎっくり腰になりやすくなります。
2,椎体が不安定な動きをするようになった結果、椎間関節にかかる負担が大きくなるので将来的に椎間関節の変形が進みます。平均余命が長いのでヘルニア手術経験者が長生きすると変形は必至となり以下のようなる可能性が高まります。
3,椎間関節の変形が進む可能性が高くなり、いずれは椎間孔が狭窄します。そこを通る神経根が圧迫され、これが新たな坐骨神経痛や歩行障害を発生させます。この症状が進むと運動神経が損傷し、休み休みでなければ歩けなくなります。さらに症状が進むと自力で数メートルしか歩けなくなり、将来的に寝たきり生活になる確率が上がります。

 椎間板ヘルニアの手術は比較的楽にでき、症状も軽快してメリットは大きいのですが、その後、10年以上経過するといろんなマイナス面が起こります。将来のことを考えるとなるべく手術しない方が得策ですが、多くの方は早く痛みを除去してほしいという目先の利益を優先させるがゆえに手術を選んでしまうようです。

 ヘルニアがあっても高齢者の多くは無症状です。またヘルニアは自然に吸収されることもあるので待つという方法は治療法として有用です。どうしても我慢できない痛みは座薬やブロック注射でしのぎ、2週間ほど安静にしていられるのであれば神経の炎症は落ち着いてたいていは元の生活に戻れるようになります。この2週間をやり過ごせれば手術回避が可能です。

 ヘルニアによる神経痛治療としてのブロック注射は神経根ブロックの一択です。硬膜外ブロックでは不十分です。手術するかしないかを決断するのに、効果が低い硬膜外ブロックで「ブロックが効かないから手術」と判断を下すことは短絡的です。神経根ブロックは「どの神経が原因となっているのか?」を正確に診断するためのツールでもあるので、治療かつ診断も行え、これ以上の保存的治療は存在しません。
 神経根ブロックをするにはそれ相応の設備と医師の高度な技術が必要です。高度な技術を持たない普通の医師は神経根ブロックを行う際に神経に直接針を刺します。この時、患者には耐えがたい苦痛が生じます。この苦痛は二度と経験したくないという程であり、手術を受けるよりもこのブロックを受ける方がつらいという方が少なくありません。これでは本末転倒です。
 よって、神経根ブロックを行うためにはそれをほぼ無痛で行うことのできる高度な技術を持つ医師を探すのがベストです。しかし、手術治療を優先する大学病院ではそのような医師はなかなか育ちません。
 私は神経根ブロックを専門とし、神経に針を刺さず、寸止め注射ができます(抵抗消失法という)。また、寸止めなので根動脈を損傷することなく極めて安全です。一般的な神経根ブロックの手技ではは神経損傷と動脈損傷のリスクが高くおすすめしません。私の神経根ブロック手技の解説はこちら→

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