2017年治療成績
最先端の科学では「肩こりは中枢感作で生じる」ということが当たり前の知識となりつつあります。なりつつあるというのは、まだ医師の間ではほとんど知られていないということを意味しています。
肩の凝りは神経が炎症を起こしているサインとして筋肉を凝った状態にさせているということです。その根本原因は神経にあります。神経が原因なら、完治させるためには神経ブロックをすることが最良であることがわかります。
私は神経根ブロックをブラインドで数十秒で行えるという特殊な技術を習得していますので、実際に肩こりの患者様に即座にブロックをして差し上げ、何十年と治らなかった肩こりをいとも簡単に根本治療するということを朝めし前に行っています。
さて、腰のこりもまた同様に神経の炎症(中枢感作)が原因であることが非常に多いと思われますが、そうであるなら腰の凝りを治すためには筋肉をマッサージしてもトリガーポイント注射をしても無駄で、神経ブロックが著効するということになります。
この考え方の正当性は、すでに私は腰の凝りを硬膜外ブロックで完治させることで証明しています。トリガーポイント注射や物療では治らない腰痛の患者様を硬膜外ブロックをたった1回行うだけで本当に完治させてしまえるからです。ちなみに私の中で「完治とは症状が3割未満になった状態が4週間以上続く」と定義しています。腰のこりが中枢感作が原因であるのなら、それを根本的に治療するには神経ブロックが最善です。
しかしながら硬膜外ブロックなどの神経ブロックはその手技自体が「痛い・危険」であると本末転倒となります。痛みを治すのに、さらに痛くて危険なブロックをするというのでは誰もそんな治療を受けないでしょう。ですから、もしも腰の凝りに硬膜外ブロックをするとすれば、「痛くなく、安全にできる高等なブロック技術」を習得していないと患者様にしてさしいあげることが不可能だということがわかります。
例えば私は硬膜外ブロックを行う際に25G針という世界でもっとも細いカテラン針を用いますが、この針を使用できるほどの技術のある医師は国内を探してもほとんどいません。よって結局、他の医師たちにとって「腰の凝りに硬膜外ブロック」という治療は常識外れとなりますから、「腰痛は医者には治せない」という結論に達するわけです。
また、腰痛の多くが腰髄・神経根の中枢感作が原因で起こるという認識さえも、国内の医師たちにはない至高です。だから腰痛を硬膜外ブロックで治すという発想にはなりません。おそらく多くの医師たちは「たかが腰痛を硬膜外ブロックで治すのは常識外れ」と考えています。しかし事実は違います。「腰痛の多くは硬膜外ブロックでしか治せない」が真実なのです。なぜなら腰痛もまた中枢感作から起こるからです。
私の中枢感作の概念は疼痛学で使用している中枢感作の定義からかけ離れるというご指摘がありました。よって今後、私は中枢感作という言葉を用いず、刺激伝道系の感作という言い方をすることにします。
また、肩の凝りが神経の炎症から来るという考え方も正しくないというご指摘を受けました。ここでは正誤について論争はしません。何が正しいかの真実はどんな教授にもわからないことなのですから。ただし、実際に根治させる治療があるのだから、根治する理由を考える基礎医学をもっと発展させていっていただいたほうが、肩が凝る原理を研究していっこうに治せないでいる医学よりも建設的であると思います。