脊椎の生体力学

 整形外科には残念なことに脊椎の生体力学を研究した書物が全くと言ってよいほど存在しません。むしろ、この分野はカイロプラクターが研究熱心な分野です。よって脊椎の分野では整形外科医よりもカイロプラクターの方が知識が上であるという状況が今も続いています。私はこの状況を医学の恥であると思っています。

 そこで私は独自に脊椎の基礎研究を行いました。研究はまだまだ途中であり、この基礎研究を元にレントゲンと対比して新たな臨床研究を行っていました。しかし、もう私にはこの分野を研究する時間はなく、後輩に譲っていくしかないようです。しかし、前述したように、整形外科医は全く興味を示していません。この状態で脊椎に電動ドリルで穴をあけ、スクリューで固定するわけですから、次々とトラブルを起こします。脊椎外科の手術は、現代も成績が悪く、本来は基礎研究から始めるべきですが、それをしない整形外科医たちに残念な気持ちになります。

 脊椎の基礎を研究すれば、子どもの脊椎をXP検査しただけで将来の病気を予測し、それを未然に防ぐという予防医学につなげられるのですが、医師たちは予防には興味がないようです(仕事がなくなりますから)。誰か基礎研究を引き継ぐ方が表れればよいのですが・・・

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