パーキンソニズムの治療成績(2017)

企図振戦、まえかがみ歩行、最初の一歩が出にくい、止まりにくいなどの症状があり、パーキンソン病ではないものがパーキンソニズム。ふらつきやジストニア、うなだれ首もパーキンソニズムの一つであると考えている。というのも、うなだれ首の症例では「最初の一歩が出にくい、止まりにくい」などの症状を合併している例が珍しくないからだ。パーキンソン病ではL-dopaの治療薬があるが、パーキンソニズムには治療薬がない。当院の上頚神経節ブロック治療は唯一の治療法となる。

全3例

改善1例 1回中断2例


考察

中断が2例のため実質1症例。3例とも遠距離通院であったため改善の1例も10回通院で中止となった。軽度であれば劇的に改善した例が過去にはあったが、本年度は症例が集まらなかった。
症例が集まらなかった理由として、当院では2017年、予約料金を徴収し、徒歩圏の住人の来院に高いハードルを敷いた。そのため近所に住む高齢者がほとんど来院しなくなったため例年はかなり多かったパーキンソニズム症例が2017年には3例に制限された。
パーキンソニズムを全治に向かわせるには繰り返しの継続治療が必要のように思える。よって遠距離に住んでいる方の治療は地理的に改善が難しいという傾向にある。パーキンソニズムの治療を広めるためには、全国に上頚神経節ブロックを的確に打てる技術を持つ医師を養成する必要がある。