はじめに
「私はおそらく臨床医の中で医療界屈指の広いブロックの適応範囲をほこっている。」通常、硬膜外ブロックは神経痛が原因の除痛目的で行われるが、私は痛みだけでなく、筋力低下・しびれ・間欠性跛行の症状治療にも行う。後に理由は述べるが関節痛・筋肉痛にも神経ブロックを行う。そして過活動性膀胱治療にも用い、正体不明の成長痛にも行い、最終的には予防医学のためにも行っている。硬膜外ブロック以外の神経ブロックを含めれば、私の行う神経ブロックは認知症、パーキンソン症候群、不安定な高血圧など…現代医学では考えが及ばない疾患にまで適応範囲がある。
予防医学とは将来的な発症を予測し、軽症のうちに完治させてしまうという意味である。例えば患者が医師に治療を要求しない程度のしびれ・痛み・麻痺・だるさなどに対しての治療である。
例を挙げると、腰部脊柱管狭窄症の症状は慢性化してしまうと何を行っても治らない。いわゆる難治性の病であるが、にもかかわらず、病状の初期では患者は症状を我慢してしまい、医師に治療を要求しない。医師の立場から言えば、我慢できる程度のごく軽い症状に、積極的な硬膜外ブロックを行うことができないという理由で行わない。よって患者は手遅れの状態になって初めて治療に前向きの状態となる。しかしそのときは難治性となっておりこの時期から硬膜外ブロックを行っても効かないという現状がある。
私はごく初期の症状にも予防的硬膜外ブロックを行うので世界一広いブロックの適応範囲を持っているということになる。「何をおおげさなことを言っている」と思うかもしれないがそうではない。予防的に積極的な治療をすることは、実は治療の中でもっとも難しい課題となる。なぜならブロックの適応範囲を広げることは医師にとって「背水の陣」いや「命取り」となるからだ。どんなささいな副作用も合併症もミスも許されないからである。除痛目的で行わないブロック注射は、そもそも注射自体が痛いことも許されない。
神経を傷つける、タップ(硬膜穿破)、周囲組織を傷つける、血腫、施行後の一時的なしびれ、ましてや注入薬が適所に入っていないことなども許されない。ミスが許されないだけでなく、効果がないことも許されない。治るための峠であるリバウンドも許されない(「リバウンドと医療過誤」参)。
ごく初期の症状へ治療をするからには、そのブロック治療で患者に起こるささいな不都合も許されない状況となる。よって医師にとっては「予防」とは背水の陣・ミスは命取りである。だから普通はブロックの適応範囲を広げようにも広げられない。患者が望まないものを行うことは犯罪すれすれとなり、その責任を医師が負わなければならなくなる。
予防なら患者が望むと思うかもしれない。いやそうではない。患者が望むところまで説得するためにはエビデンスが必要になる。エビデンスとは「現在の症状と、現在の社会的状況と、遺伝的な素因、活動量・生活レベル、現在の年齢、あと何年生きて今後何をするのか?などの総合的な観点から将来を予測、そのうえで必要なメンテナンス治療を今から始めよう」というものである。このようなエビデンスを求めるための研究は、おそらく一人の医師が一生かけても証明できない。よって「予防すると将来こうなります」というエビデンスがない=患者の賛同を得ることは不可能。よって予防医学とは正確には「推論に基づく医師の空想」の範囲を脱さない。これは世界中のどの医師(偉い教授)でさえ条件が同じである。よって「積極的予防医学」とは、ありそうでなかなか実現し得ない治療なのである。
もちろん、コーヒーを飲めば発癌が抑えられる…というような予防医学なら気軽に行えるが、リスクを伴う治療、例えば「ペースメーカーを入れておけば心筋梗塞になりにくい」というような予防医学の場合、エビデンスなしでは不可能である。予防医学の壁は人々が考えているほどたやすくない。
予防医学を行うためには上に挙げた「現在の症状と、現在の社会的状況と、遺伝的な素因、活動量・生活レベル、現在の年齢、あと何年生きて今後何をするのか?」などを瞬時に判断できる推測能力と、それにブロックがどう関わり、これをすると何を予防できるのか?についての予測とそれを裏付ける証拠が必要になる。
そして証拠を得るには実績が必要になる。実績を作るためにはブロックのリスクを極限にまで低くさせる技術が必要であり、私はその腕を、恐らく世界の誰よりも毎日必死に磨いてきた。だからこそ適応範囲を広げられる。これがおそらく私が医療界屈指の広いブロック適応範囲を持っていると言える理由である。
結局、予防医学はリスクがほとんどない状態でしか行うことはできないという制約がある。しかしながらどんなブロックでもリスクがあるので、そもそもブロックが予防医学のメニューになることはない。私はそのブロックを「リスクを極限にまで低下させることによって」メニューに載せたわけである。これを読んでいる医師の方々に、「リスクを負いなさい」と述べているわけではない。私が先陣を切ってリスクを負うので、その実績を利用してほしいと思っている。
ブロックの適応範囲はほぼ全ての疾患
ブロックがなぜ色んな難病治療で奇蹟を起こすことができるのかの理由は狙った箇所の血行を増加させるところにあると思われる。つまり、狙った箇所の交感神経をブロックし、その箇所の血管平滑筋を弛緩させ血流量を増やすというものである。血流量を増加させれば治るというのは全ての疾患に共通であり、しかも組織の修復は体細胞がミクロレベルで大活躍してくれる→人間の叡智の及ばない奇蹟を起こしてくれる…となる。よってブロックにより現代医学が見捨てた難病も治る可能性は十分にある。脳梗塞や認知症でさえ改善できる可能性がある。予防的に認知症も防止できると考えるが…問題は適応である。予防はリスクがほとんどないことが条件としてその治療を受けることが可能となる。つまり、認知症予防にブロックを用いたいのなら、厳重なリスク管理が出来なければならない。治療が原因で新たな合併症を起こしてはならない。これが難題なのである。
予防医学が難しい症例
予防医学には実は越えられない壁があることを、実際に予防医学を遂行しようとする医者にしかわかるものではない。私はつい先日、76歳の男性で、「腰が重い」と言って医師に不平不満を、毎回20分近く訴えては帰るというとても迷惑な患者を説き伏せて硬膜外ブロックを行った。彼はとても臆病で多少知的障害がある高齢者だ。96歳の母親を介護している。本人は「腰が重い」というわりに、痛くないので積極的な治療をすすめてもイエスと言わなかった。だから医師の前で不平不満を毎回まきちらし、診察時間を無駄に引き伸ばすようなブラックリスト掲載患者だった。
私はこの患者に初回から硬膜外ブロックをすることを案内した。「私ならあなたの腰の重さを治せますよ」と告げた。そして治療方法は硬膜外ブロックというものであることも告げた。もちろん答えはノーである。その後、彼は不思議に私の外来に居ついた。他の医師は話さえ聞かないが、私は彼の話を聞くからであろう。1カ月に1回の診察だが、少しずつ硬膜外ブロックに興味を示した。だが常に答えはノーであった。それでも毎回説得し続けた。
一緒に働いている他のペイン科の医師たちは、私のことを愚かだと看護師に告げた。いやがっている患者に説得するなんてバカバカしいと告げていた。バカバカしいのではなく、嫌がる患者を説得して積極的治療をするのはバカなのだ。医師にとっては命取りであり、普通なら自分の医師の立場を悪くしてまで治療するなんてバカなまねはできない。
彼と関わって5ヶ月目の今日、彼はブロックをやると言いだした。しかし、やると言ったのに、私に「危険はないのか? 痛くないのか? 何のためにブロックをするのか? 治る保証はあるのか?」と質問攻めにしてきた。普通の医者ならここでキレるだろう。なぜならそういう質問への回答は何カ月もかけて、のべ1時間以上かけて、この患者にいやというほど説明してきたからだ。説明しても理解力はない。だが真剣に説明してきた。それでも直前でブロックの質問攻めである。
こんな患者に治療して、もし万一、ミスが起こったら私はトラブルに巻き込まれる…。ではなぜこんな厄介な患者にブロックをするのか?それはこういう厄介な患者を治療できてこそ、予防医学の実績を築き上げることができるからだ。彼は高齢のうえ肥満である。針を入れる椎弓間孔は全ての椎間で直径4ミリに満たない。彼のXPと彼の体型を見ただけで、普通の医者ならおじけづく。ブロックを勧めることもない。だが…
「最後に、やるのかやらないのか?どちらですか?」「やります」…そして私はそそくさと手際よくブロックをさっと終える。そしてもちろん、私のブロックは痛くない。「あれ?もう終わったんですか?針が刺さったのも感じませんでした。」そんなことは知っている。私はそこまで腕を磨いている。そして彼は「あれ? 腰がなんともない。うわあ、こんなに軽い…」と驚いて帰って行った。
このレベルにまで腕を磨いてやっと「嫌がる患者」にブロックを行えるようになる。予防医学はこれほど難しい。しかしながら他のペインの医師たちは私のことをそうは見ていない。熱すぎて愚かな医者…と思っていることがうかがえる。看護師たちにもそう吹聴しているようだ。どうしてそこまでして危険なことに足を突っ込むのか…という視線が刺さる。
痛くない注射は必須
普通の医者は「注射を痛くないようにしよう」というくだらないことに腕を磨こうとはしないことを知っている。それよりもリスク回避、正確さを最優先させる。痛くない注射をするためには使用する針を細くしなければならないが、細ければ細いほど、難易度が高く、リスクも高くなり失敗の確率も上がる。痛くない注射を優先させて、自分を危険な水域に立たせるなんてことを普通の医者がするはずもない。しかしながら、ワンランク上の予防医学を志すのであれば、安全、確実、痛くないの3つが必須なのである。細い針を用いると安全性が低下すると思われるかもしれないがそうではない。細い針は手技が難しくなるが、出血のリスク、感染のリスク、神経損傷のリスクなど、全てのリスクを低下させる。細い針は唯一、失敗(ブロック不成功)のリスクのみ高める(抵抗消失を感じにくいため難しくなる)。そこを腕を磨いてカバーするのである。
リスクの研究が最も大切
ブロックを行う医師の多くは、ブロックには危険がつきもの…は当たり前と思っている。だからそれを患者に説明して同意書にサインをしてもらっているのだと考える。しかし、医師がその程度までしかブロック技術を磨かないでいるのであれば、ブロックの適応範囲を広げることはできない。ブロックはリスクを極限にまで低下させることができれば、他にどんな治療法も右に出るものはないというほどに優れた治療法である。ステロイドの大量投与(炎症を鎮めて血流を再開させる方法)などと比べても、ブロックの方がはるかに有用性が高く副作用も低い。それでもブロックが普通の医師にできない理由はリスクである。
よってブロックの適応範囲を広げる=リスクの徹底研究=患者の痛みを知り、患者からブロックの不具合を細部まで聞き取り調査してそれを排除していく技術の修練の積み重ね、なのである。そしてこれが医師という生き物にとってもっとも苦手な技術となる。なぜならば、これまである程度冷血であるからこそ、人にメスを入れ針をずぶずぶと刺すことができたわけである。人の痛みがわかれば、そんなことが軽はずみにできるはずがない。よっておおかれ少なかれ、医師は非情かつ冷血である。よってブロックのリスク研究は、進みそうで進まないという壁がある。
人の痛みを知るためにわが身を傷めつける
私は実際に自分にブロックを行っている。他人の痛みを知るためである。一度や二度ではなく毎週行う。それは「万一に起こるミス」も味わいたいからである。万一に起こるミスは1万回行わなければ経験できない。よって自分にも毎週ブロックしてその痛みを知ろうとしている。自分で刺すのは勇気がいるが、痛快である。どのように刺せば痛みが軽くなるか自分で体験できるのは貴重である。こうすれば、まず「使用する針の太さを細くしよう」と必死に考えるはずである。自分に注射するなら細い針、他人に刺すなら太い針…というのでは医師の資格がない。自分に刺すようになれば、自然に多くの医師が細い針を用いようとするはずである。
不眠症に神経ブロック
私は最近では不眠症の根治術にまでブロックの適応範囲を広げ、そしてよい成績を収めている。私は、不眠症には「網様体賦活系の血行不良」が根本にあると推定し、脳幹部の血行をブロックで増加させて不眠治療を治すということを行っている。睡眠薬が不要で熟睡できる奇蹟的な治療法である。だが、この治療法にはリスクが許されない。ブロックが痛いことも許されない。些細なミスも許されず、慎重に狙った場所に薬液を注入できる技術が必要になる。まさに背水の陣的な治療法である。手技が難しいのではなく、ミスをしないことが難しいのである。例えばダーツでは素人でも的の中心に当てることはできるが、100発100中になるには技術や精神を鍛えなければならないのと同じ原理である。
リスクマネジメントは各自作る
私はこれまでブロックで目立ったミスをしたことがない。その実績において適応範囲を少しずつ広げてきた。元は整形外科医でありながら、現在は種々の科の疾患を治せる。しかし、それは自分なりの技術革新の中でリスクを縮小してこれたわけであり、他の医師が私のマネをすれば重大なミスを犯してしまうことも十分考えている。私のリスク実績は、私が築き上げたものであり、他の医師にあてはまるものではない。よって、各自が腕を磨きつつ、日々精進していくしかない。ブロック適応範囲を広げる努力
私は様々な疾患にブロックを適応させるが、この技術を他の医師に素直に伝授してよいかどうかは難しい。リスクの問題があるからである。医療技術は、一人の達人が技を極めた際、それを伝授する時に不完全な技術が世に広まることを避けることができない。広める時にほぼ必ず医療事故を起こす。よって、技術が広まるには「医療発展のプラスが医療事故などによるマイナスよりも世間に大きく貢献する」という条件を満たさなければならない。この観点でブロックを見つめると、ブロックは手術よりもリスクが極端に低い。ならば広めない理由はない…ということになりそうである。
初めてコメントさせていただきます。
62歳男性で横浜在住です。
腰椎椎間板ヘルニアから回復後の直腸膀胱障害らしき症状で困っています。
いきさつ
1)4年前と3年前に右のぎっくり腰発症:いずれも一週間安静で回復。
2)2年前に腰椎椎間板ヘルニア(L1/L2)発症:
体を動かすと右背中と右前太腿に電撃痛が走り、歩行困難になった(エビのように
丸くなり安静にすると痛まない)ので、3週間入院し、手術はせず、ノイトロピン、
リマプロストアルファデックス、リリカの投与で電撃痛はなくなり、退院した。
しかし、歩くと右太腿が痛むので20分しか歩けなかったので、1日1回、ボルタレン
座薬25mgを4~5日間使用にて、完全に痛みが消えて2時間歩行可能になった(現在も)。
3)ただ、1年前に陰部チリチリ、臀部ムズムズを伴った頻尿、頻便発症:
1日の排尿10~12回(内、夜2~4回)(チリチリムズムズは昼のみ3~4回)。
寒い日に和式赤外線こたつに長時間座っていると、最短50分毎に上記症状がおこる。時々、右太腿が軽く痛む。
(寒くない日に歩いたり、洋式イスに座ると、2時間何ともないことが多い)。
巷の整形外科を受診しても泌尿器科にたらい回しされるだけでしたが、ネットを
調べていて、この症状は直腸膀胱障害→手術の定説を見つけ、この程度で手術とはと、
さらに調べて先生のホームページの「頻尿治療に神経ブロックが著効した」との記述に
たどりつきました。
また、先生の情熱、発想、手技、事故を防ぐ工夫、等に感銘を受けました。
ぜひ、先生の腰部硬膜外ブロックを受けたく、御連絡をいただければ幸いです。
ヘルニア発症時と回復時の腰椎MRI、腎臓CT、膀胱/前立腺US画像のCD-R、血液と尿の
検査データを持っています。さらなる詳細はメールにてお知らせできます。
なお、「特殊治療症例」のページにコメント欄がありませんでしたので、このページ
にコメントさせていただきました。
まず、私は自称「ボルタレン座薬の魔術師」と言ってもよいほど、ボルタレン座薬を様々な腰痛関連の疾患を完治させる目的で使用できる数少ない医師です。その私が興味を引いたのは、間欠性跛行がボルタレン座薬で著しく改善したというあなたの体験談です。これまで腰椎椎間板ヘルニアの痛み治療として、たまに坐薬治療を行ってきましたが(極めて良く効きます)、間欠性跛行にも効果があるとは・・・今後の治療に幅が広がり、おかげで助かる方が増えるかもしれません。
直腸膀胱障害で手術という定説に「反論」する一般人がおられることに驚いております。西洋医学に疑問を持つ一般人がいるのか・・・という珍しい人を発見した気分です。医療は政治と密接なつながりがあり、医学理論で経済が大きく揺れるのが西洋(アメリカ)医学です。そのため、国家は政治的な安定を得るために医学を飴とムチの飴として国民に与えて黙らせ、医学関連企業と結託して経済を回すなどの役割を担っています。よって、国民を西洋医学で手なづけるのは国政であり、国民は「西洋医学は完璧」ということを信じて疑わなくなります。その呪縛は患者だけでなく医師にも及びます。国家レベルで西洋医学は完璧という暗示を国民にかけるわけです。その暗示の呪縛から抜け出せる一般人がここにいたことに驚いています。通常は手術して治らなかった後に気づくものです。ちなみに私は医学生時代から西洋医学の理論にいろいろと理屈に合わないことが多いことに気づいていました。教科書には嘘があると疑いつつ国家試験のために「鵜呑み」にして勉強したものです。
さて、直腸膀胱障害は仙骨部硬膜外ブロックで軽快することが多いですが、最近は、なかなか軽快しないつわもの患者が訪れるようになっており、一筋縄ではいかないこともあることを勉強させていただいております。
ちなみに仙骨部硬膜外ブロックは3500円、腰部硬膜外ブロックは8000円と厚生労働省が決めていますが、この値段設定のために、仙骨部硬膜外ブロックを行うと、値段が安くて赤字経営になります。よって私は来年の1月1日より、仙骨部硬膜外ブロックを行う際には5400円の予約料金を徴収することにしています。つまり、患者にとっては理不尽に治療費が高くなります。私の仙骨部硬膜外ブロックの手技は極めて丁寧で安全であり、痛みもほとんどありません。その分時間をかけますので料金が3500円では釣り合いません。
私はこのような厚生労働省の理不尽な値段設定に「泣き寝入り」する気は一切ありません。あしからずご了承ください。
早朝に御返事ありがとうございました。
椎間板ヘルニアの痛みがボルタレン座薬で消えたのは事実ですが、痛みで20分しか歩け
なかった時、休んでまた歩くことはしなかったので、間欠性跛行だったかどうかはわかり
ません。
ただ、ボルタレンの痛み止め作用は半日も持たないはずなのに2年間痛みが消えている
ことと、硬膜外ブロックのよく似た効果は何か通じるものがありそうだと感じています。
直腸膀胱障害が硬膜外ブロックでなかなか軽快しない場合もあることは理解しましたし、
尿閉などなら即手術でしょうが、ヘルニア発症後2年も経過して手術で頻尿が軽快するか
どうかわからずリスクも大きいし、対症療法の薬と比べても、私の場合は硬膜外ブロック
が第一選択だと考えます。
先生に丁寧、安全に硬膜外ブロックを施術していただけるなら新料金でも受けたいです。
どうか、メールで御連絡をお願いします。
ブロックで最も重要なことは効果ではなくリスク回避であるということを患者たちは知りません。というより、患者がリスク回避できる医師に高い治療費を支払わないことが、患者がリスクを軽視していることと同じ意味であり、よって医師がリスク回避に技術を高めようとする者が存在しなくなり、結果的にリスクは軽視されます。リスク回避をする技術はきわめて高価な技術ですが、私はその高価な技術を他の医師と同じ値段で提供しているため、常に屈辱を受けています。いいえ、同じ値段ではなく、「時間をかけてリスク回避する」ので時間単位で激安の治療費となっており、理不尽極まりない状況です。
あまりにも理不尽、かつ精神の疲労のため、12月中旬から患者数を半減させました。当然ながら収入も半減します。この理不尽さも精神を崩壊させるよりはましです。私がいいたいことは伝わらないとは思いますが、愚痴ってしまいました。
御返事ありがとうございました。
何かの御事情があって私の治療ができないならば、そのように御返事ください。
メールにて御相談したかった内容をここに記しますので、もし、不適当なら削除してください。
1)私は8年前に蓄膿症になり、手術を回避するために4~5回「上顎洞穿刺洗浄」を受けて完治しました。
この治療法は時間がかかる割に診療報酬の点数が低いので、自由診療でしかやってもらえませんでした。
しかし、手間ひまがかかることも十分理解し、結果の対価として満足しています。
今回の件も自由診療でもかまいません。
2)チリチリムズムズは時に右太腿が軽く痛みますので、L1/L2での馬尾神経の圧迫?が原因ではないかと考えます。
ならば、X線透視下でのL1/L2への腰部硬膜外ブロックが最適ではないかと考えますが、いかがでしょうか?
3)私は1年前に痔の治療で肛門にヒドロコルチゾン5mg入りの軟膏を3~4日注入して頻尿がひどくなった経験があります。
ケナコルトは効果絶大ですが数週間持続するので、もし副作用が発現したとき、原因の除去ができないので怖いです。
硬膜外ブロックはキシロカイン単独でお願いできないでしょうか?
4)受診可能な時期をお教えください。
どうか先生の患者に加えていただきたく、よろしくお願いします。
私の硬膜外ブロックを受けたいと思われているようですが・・・、硬膜外ブロック程度で治るものであるなら、私のブロックでなくても他のペイン科の医師に行ってもらった方が楽ではないでしょうか? もちろん、技術的なものは私はそれなりに修行を積んでいますのでご安心できると思います。私のブロックを希望するのは「安全性の追究」といったところでしょうか? また、ケナコルトは通常は硬膜外ブロックには用いません。さらに追伸ですが、私は硬膜外ブロックに透視を用いません。造影剤は体に悪いですから。連絡差し上げます。