三叉神経のうちの一つである下顎神経エリアの痛みで原因不明のものを非定型歯痛という。広義で症候性三叉神経痛であると考えるが極めて難治性である。下顎神経エリアにブロックを行っても痛みが軽快しない例が多い。
全6例
著効2例 無効3例 中断1例
中断を無効と仮定すると非定型歯痛の有効率は33.3%。これまでの上頚神経節ブロックの治療成績の中で最低の有効率である。
考察
上頚神経節ブロックは非定型歯痛にはあまり成功しない。その理由は、おそらく非定型歯痛の原因が末梢(下顎神経)にあるケースが多いからかもしれない。上頚神経節ブロックは末梢由来の神経痛には効果が期待できない。しかしながら症例のほとんどが下顎神経ブロック注射を行っても無効であった。つまり末梢型とも言えず原因がはっきりしない。しかし、大学病院でさえ治せない難治性非定型歯痛の3分の1に著効という成績を収めたことは、今後の非定型歯痛の究明に役立つと思われる