突発性難聴治療成績(2017)

  • 全120例
  • 発症から当院初診までの平均日数29.0日
発症 1w以内 1-2w 2w-1M 1M以上
症例数 24 36 38 24
  • 1回目で治療を勝手に中断17例
  • 2回目で治療を勝手に中断5例 この22例は治療成績が不明のため下記治療成績判定から削除
 

治療成績判定 98例中

  • 完治9例、著効19例、改善39例、やや改善6例
  • 無効25例(うち、改善感4例、一部改善9例)
 
今回は6分法で20db以上の改善を著効とした。明らかな聞こえの改善を自覚した者は改善(10db以上)、やや改善。無効の中にも耳鳴りや閉塞感・聞こえ感が改善した者が13例あったが、オージオグラムで改善が見られなかった場合は全て無効とした。

快挙

全域(ほぼ全域)スケールアウトで来院した症例は18例。そのうち8例は発症後3w以上経過し病院からも回復を絶望視されていた。その絶望視されていた8例中4例(50%)をそれぞれ六分法平均で25db,27.5db,30db,67.6db改善させた。

考察

当院への初診は平均して発症後1か月と極めて遅い。一般的には手遅れと呼ばれる時期の治療開始であるので、「これ以上は現医学で改善が望めない」と治療をあきらめられた段階の症例が大半を占める。そうした現医学が敗北宣言した症例が集まる中で73/98(74.5%)の有効率を出していることで当院の治療成績は明らかな優位性を誇る。
昨年も優位性を示したデータを公表したが(こちらが論文化した詳しいデータ)、それでも尚、患者は現医学治療で「これ以上は治らない」と宣言されて手遅れになり八方塞がりになってから当院を初診するという傾向がある。つまり公表したデータを「信じない」という愚かな判断が下されているようだ。まことに遺憾である。難治性の難聴を治せば治すほど、その実績を示せば示すほど、突発性難聴の初期の患者が来院しなくなり、手遅れの症例が来院するようになることにがっかりさせられている。
難治性の難聴が1回の治療で改善するはずがないが、1-2回の治療で勝手に中断した冷やかし患者が22例存在することが残念である。冷やかしの理由は1回のみで効果判定を自己判断して無効としたか、ブロックの副反応である反回神経麻痺(数十分で回復するが必ず起こる一時的な反応)に過剰に驚き不信感を持った場合と思われる。
1-2回で勝手に中断した者は結局当院で治せなかったと辛口判断すると、当院の治療で無効であったのは120例中47例と若干多くなる。しかしながら当院は最初から「改善の見込みが少ない難治性症例」が集まることを考慮すると上記の治療成績はかなり高い。