停滞期改善シフト療法がかかえる問題

停滞期改善シフト療法がかかえる問題

改善シフト療法は現医学においてそれほど多くの種類はありません。炎症が起きている局所の悪循環を絶つための根本的な方法は限られているからです。治療法にどのようなものがあるのかについては<治療学総論>の文頭で述べました。姑息的ではない根本治療の多くは外科的な手術となり、それ以外ではブロック注射が根本治療に成り得ますが、経口薬やリハビリ、物療などは効果が弱いためなかなか根本治療に成り得ません。
外科手術、ステント留置やカテーテルを用いた各種治療は日常損傷病においては非現実的ですから、消去法で行くと改善シフト療法は現医学ではブロック注射以外にはほとんどないことになります。 しかしブロック療法はリスクがある点が問題です。リスクがある治療法はある一定確率で実際にリスクが起こります。回数をこなすほどにリスクが実際起こる可能性が高まります。しかしながら停滞期の治療では改善することがありません。改善しない患者に続けているといつか遭遇するリスクを無視してそのまま一生継続してよいものかという問題点です。
非常に酷な言い方になりますが、停滞期の改善シフト療法を続けていけるかどうかは医師の腕にかかっているとしかいいようがありません。万に一つも合併症を起こさない実績がある医師になら任せることが可能ですが、合併症を頻繁に起こす医師には停滞期改善シフト療法は行うべきではありません。よってこの療法を普及させるためには医師たちの技術向上のための教育・訓練が必要になります。

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