満足度と幸福度と依存
我々が医師として常に持っておきたい信念として満足度と幸福度は異なるという概念です。 子供に対して嫌がる注射を行って病気を完治させる場合、子供は満足度がゼロです。しかし幸福度は高いでしょう。逆に痛みに対して毎日マッサージ通院させることは、患者にとって満足度は高いでしょうけれど、そうやって治らない治療に依存させて商売をすることは患者の幸福を願ってのことではなく、むしろ治療に依存させて料金を徴収することは幸福度に対してマイナスです。幸福度と満足度は両立しない場合が意外と多く、医は原則として満足度を追求するべきではなく、幸福度を追求すべきです。医は商売であってはならないからです。この機会にヒポクラテスの誓いを読んでみましょう。
私は他の医師が治せない疾患や症状を治し、患者に対して高い満足度と高い幸福度を提供することを常に重んじてきました。しかし、患者が私に依存し、甘え、健康維持を私任せにし、自分で自分の健康に責任を取らない習慣をつけさせてしまうことは、幸福度を大きく減少させてしまうことだと自覚しています。 理想は、私の治療を受けなくとも健康な生活が送れるような生活習慣にしてさしあげることです。そのために生活指導が治療に必須であり、私に依存させないことが治療を行う上で重要なことだと認識しています。よってこれらを実現するために、時に患者を突き放し生活環境を変えることを直談判します。